生きていく道模索…路上生活者対象に無料相談会

update 2009/12/17 15:35

 函館地方社会保障推進協議会(函館社保協、堀口信会長)は16日、路上生活者を対象にした「生活・医療・労働の無料相談会」を市内の海岸町内会館で開いた。突然の解雇や派遣切りで、路頭に迷う生活を余儀なくされた30―50代の男性6人が参加。専門家のアドバイスに加え、豚汁やおにぎり、漬物も振る舞われ、安心できる生活への道を探った。

 同社保協は医療機関や女性団体、商工業者団体、労働団体などでつくる。経済・雇用情勢の悪化を受け、今年1月、5年ぶりに路上生活者の実態調査(目視、声掛け、聞き取り)と相談会のPR活動を行った。

 メンバーがJR函館駅やフェリーターミナル、バス停を回り、相談会の開催を周知。4月までに相談会を3回開いてきた。11月に入り、路上生活者が増え始めたことを受け、「昨年より状況が悪化する可能性が高い」との共通認識の下、師走の相談会実施を急きょ決めた。

 相談では、経歴や現在の生活状況、今後の見通しを聞き取った上で、生活保護の申請や再就職に向けた助言をした。医師による血圧などの健康確認のほか、市民からの寄付とメンバーが用意した衣類なども希望者に手渡された。

 夕方までに3人が市役所へ生活保護を申請し、いずれも受理された上、同日夜から市内の下宿への入居も決まった。 関東の自動車工場で18年間働き、健康上の理由で契約更新を打ち切られた渡島西部出身の男性(53)は、10月下旬から路上生活を続ける。「就職したいという強い意欲はあるのに、仕事がないのがつらい」と語る。

 函館近郊から来函したものの、降雪などで2日間寝ていないという男性(34)は「函館に来れば仕事があると思っていたが、現実は違った。このような相談会は本当にありがたくて心強い」と話していた。

 同社保協は来年1月にも相談会を開催する予定で、「年末から年明けにかけてさらに路上生活者が増えるかもしれない。社会が抱える深刻な問題として活動を続けていきたい」としている。

 問い合わせは社保協・路上生活者支援グループTEL0138・32・6136(道南勤医協内)、同52・6015(生活と健康を守る会)。

提供 - 函館新聞社




前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです