来月 大間原発の住民説明会開催…函館市

update 2009/12/3 10:02

 函館市は2日、青森県大間町で建設が進められている、大間原子力発電所に関する住民説明会を来年1月31日午後2時から函館国際ホテル(大手町5)で開催することを発表した。函館から最短で18キロ先に位置する同原発に対する市民の不安解消や、原子力発電への理解を深める狙い。市は「不安を感じている市民に原発のことについて知ってほしい」としている。

 説明会は市と日本原子力文化振興財団の主催。専門家3人による講演や、コーディネーターと専門家の質疑応答、会場からの質問を受け付ける予定。

 同原発は電源開発(東京)が実施主体となり、函館市と津軽海峡を挟んで立地する大間町に昨年5月から建設中。改良型沸騰水型軽水炉1基で、出力は138万3000キロワット。燃料は濃縮ウランに加え、使用済み燃料を再処理して回収したプルトニウムを、ウランに混ぜて作るMOX燃料を世界で初めて全炉心に使用する。

 同市は国や電源開発に対し、安全性や防災上の観点から住民への説明責任や環境への影響が懸念されることを訴えてきた。2005年には原子力安全委員会主催の第2次公開ヒアリングに市関係者や住民ら4人が参加して意見陳述を行ったほか、昨年6月の市議会定例会では安全性に関する説明を求める意見書が可決されている。

 しかし、住民説明会の開催は@現行制度の枠組みに沿って事業を進めているA函館市が説明会を必要とする対象外である―などの理由から難航していた。市は今回、国や道の協力を得て開催にこぎつけたが、事業者の電源開発は参加しない。

 函館では市民団体の「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が建設反対を唱え、07年12月には約6万5000人の署名を集め経済産業省に、今年4、6月に説明会開催を求める要望書を市に提出するなど反対運動を行ってきた。竹田代表は「ようやく説明会に至ったという思い。開催自体は歓迎したいが、事業者の参加を望んでいたので残念。質問ができるなら、原発に不安な気持ちを持っていることを訴えたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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