館浦温泉に新たな源泉

update 2009/12/3 10:02

 【乙部】乙部町が館浦温泉で進めていた新たな源泉掘削が2日までに無事成功した。ポンプによる揚湯量は毎分320リットルに達するという。町は新年度に揚湯ポンプや貯湯タンクなどの整備に取り掛かり、老朽化が進む旧源泉からの切り替えを進める方針だ。

 温泉水の安定共有に向けて町は9月、道立地質研究所(札幌)などの指導を受けながら、旧源泉から約60メートル離れた地点でボーリング探査を開始。11月中旬までに予定深度の1306メートルに達したボーリング坑内で温泉水のゆう出を確認したという。

 温泉水が自然にわき出す自噴の状態には至っていないが、ポンプによる揚湯試験で毎分320リットルもの豊富な温泉水を供給できる能力があることが判明した。町は泉質などの分析を進めている。町建設課は「古い源泉を超える揚湯量を確保できる見通しになった。今回の温泉掘削は成功と評価できる」としている。

 源泉掘削の成功を受けて町は新年度、温泉水をくみ上げるポンプや貯湯タンクなどの整備を進め、旧源泉からの切り替えを行う方針という。

 旧源泉は1981年、町内初の温泉として開発された。現在は自噴で毎分20リットル、ポンプ揚湯で同250リットル程度の温泉水を、近隣の旅館やホテルのほか、公民館や町民プールなどの公共施設に供給している。しかし、温泉水に含まれる炭酸カルシウムなどを含む「温泉スケール(湯の花)」が源泉パイプに詰まるなど、老朽化が懸念されていた。

 同課は「古い源泉は約30年間にわたり温泉水を供給できた。新しい源泉も同程度の耐用年数があると予測される。将来にわたり温泉水を安心して供給できる体制が整った」と話している。

提供 - 函館新聞社




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