7―9月期の道南経済 4年ぶり上方修正
update 2009/11/30 12:42
函館財務事務所は7―9月期の道南経済概況「道南経済レポート」を発表した。個人消費や生産活動の一部に改善の動きがみられることから、総括判断を前回(4―6月期)の「厳しさを増している」から、「一部に持ち直しの動きがみられるものの、厳しい状況が続いている」に上方修正した。上方修正は2005年10―12月期以来、約4年ぶり。
項目別では個人消費が「一部に持ち直しの動き」に判断が上向いた。主要小売店7社の売上高が、商品の低価格化傾向に加え、天候不順による夏物商品の不振で、前年同月比10・9%減。食料品スーパー(4社)の売上高は、店舗間の値下げによる消耗戦が続き、消費者の節約志向の高まりと相まって同1・7%の減となった。
ホームセンター(4社)の売上高は競合店などの影響で前年割れとなる店舗がある一方、新設店効果がマイナスをカバーし、同2・1%増となった。家電は、エコポイント制度の効果で薄型テレビが堅調だが、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などは節約傾向から動きが弱まっている。
自動車販売は、エコカー減税などの政策効果で、小型自動車が同7・3%増、軽自動車は同6・1%減となったが減少幅は縮小し、全体では前年並みまで持ち直している。
観光、住宅着工、公共事業とも判断は「前年を下回る」となった。観光は主要宿泊施設(18施設)の宿泊数が前年同期比5・9%減、この影響もあって観光施設の利用客も同2・8%減となった。同事務所は「高速フェリーや日航関西便の廃止の影響がある」と指摘する一方、「9月は大型連休(シルバーウイーク)の効果で宿泊者数を押し上げた」と分析する。
住宅着工(函館、北斗市)は前年同期比34・2%減の456戸。特に賃貸向けが前年に好調だった反動から、同57・1%減と大きく前年を下回った。公共事業は景気対策による前倒し発注があったが同13・8%減で、函館競馬場のスタンド整備工事があった前年を下回った。
生産活動は、前回の「一部持ち直しの動き」から「一部で高水準」に改善。携帯電話向け電子部品が好調で、在庫調整が進み、「生産を近年のピーク時にまで戻している企業もある」(同事務所)という。
提供 - 函館新聞社
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