市水札幌の作家、川嶋さんが中空土偶題材に児童向け小説を出版
update 2009/11/18 12:57
札幌在住のノンフィクション作家、川嶋康男さん(59)がこのほど、函館市著保内野(ちょぼないの)遺跡(尾札部町)で出土した国宝「中空土偶」をテーマにした児童向け小説「縄文大使カックウとショウタのふしぎな冒険」をくもん出版(東京)から出版した。「カックウ」と呼ばれる土偶に導かれ、少年が縄文文化に興味を抱く物語で、川嶋さんは「子どもたちに縄文文化を身近に感じてほしい」と話している。
川嶋さんは昨年、日本にソーセージの食文化を伝えたカール・レイモンの生涯を描いた「大きな手 大きな愛」を出版し、産経児童出版文化賞のJR賞を受賞。今回は子どもの目線で中空土偶の持つ意味を紹介しようと、現地取材を重ねながら1年半かけて書き上げた。
函館に関する本の出版は今回で3冊目で、小説を書き下ろしたのは初めて。作中の挿絵は大阪出身のイラストレーター、磯田和一さんが手がけている。
小学校4年生のショウタがある日の夜、目の前に現れたカックウに導かれて博物館に行くと、収蔵品に命が宿り、夜会が開かれているのを目の当たりにする。その後、博物館の館長らとともに3500年前の世界にタイムスリップする―という奇想天外なストーリー。史実に基づいて縄文文化を紹介しながら、子どもたちが親しみやすい中身に仕上げた。
川嶋さんは17日に函館市教委を訪れ、市中央図書館に20冊を寄贈した。「カックウと人間の命を比較させる中で、与えられた命を精いっぱい生きることをポイントにした。子どもたちが人間の命を考えるきっかけになれば」と話している。
A5判変形、149ページ、1365円。今週中から全国の書店に並ぶ。問い合わせはくもん出版TEL03・3234・4144。
提供 - 函館新聞社
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