事業仕分け「里山エリア再生交付金」廃止、乙部町「見直し求める」

update 2009/11/18 12:56

 【乙部】政府の行政刷新会議は、2010年度予算概算要求の精査を進める「事業仕分け」で、農林水産省が所管する「里山エリア再生交付金」(約84億円)の廃止を決めた。乙部町は本年度から5年計画で同基金を活用した森林居住環境整備事業に着手したばかり。交付金廃止に伴い計画は縮小または休止を余儀なくされ可能性もあり、町は「市町村が既に着手している事業を一方的に切り捨てることは問題」として、国に見直しを求める方針だ。

 同交付金は、森林と隣接集落の整備を一体的に進める事業。同町は本年度から2013年までの5年計画で、林業基盤の強化などを目的に、重機や車両などの接近が難しいエリアでの林道2路線の整備、山火事防止水槽の設置、居住地周辺にある森林の間伐や植栽を進めるほか、展望広場や遊歩道などを備えた森林公園の施設整備を進める計画を立てていた。5年間の全体計画事業費は5億2700万円を見込んでいる。

 ところが、同会議の事業仕分けの作業では、初日の11日に同交付金など11事業の廃止を決定。同交付金も新年度予算への計上は難しい情勢となった。

 10月30日に総務省顧問に就任した寺島光一郎町長は「政権交代があったとはいえ、政府が認めて町村が着手した計画をわずか1年で廃止することは大問題。このようなやり方では新政権と地方に大きな摩擦を生じかねない。作業の場に町村代表を加えるなど、地方の声を取り入れるよう政府与党に求めていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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