西村さんの布の絵本 最高賞に輝く…全国コンクールで市長賞
update 2009/11/14 13:24
函館市桔梗町に住む西村静子さん(60)の布絵本「クモッコもだいすきエゾキスゲ」が、山口県の「第2回下松手づくり絵本全国コンクール」で最高賞の下松市長賞に輝いた。クモやハチなど「命」への温かいまなざしを映し込み、はぎれで色鮮やかに仕上げた力作。紙の絵本として500冊製本化され、同県内の小学校などに寄贈されることになり、西村さんは「ありがたい」と喜んでいる。
破られながらも花の近くに何度も巣を張るクモ。ハチのために巣を取り払った女性が、クモがいなくなると逆に心配になり、再び巣を見つけて笑顔になる…。
「クモッコ―」は、自宅庭での実体験を基にした。「クモに悪いことしたな、と思った」とほほ笑む西村さんが、当時の心境や虫への思いを込めてコツコツと作った。
材料は知り合いや客からもらった布きれ。「どんなに小さくても思い出がある」という布から生まれた虫たちは表情豊か。色使いも絶妙で、手作りならではの味わいある作品に仕上がっている。
布絵本作りを始めたのは約5年前。市内で始まった「世界に一冊だけの本展」がきっかけだった。それまでは夫とクリーニング店を切り盛りしながら育児や生活の中で感動した出来事を書き留め、そこから創作した物語を布の壁掛けの形で表現していた。
「田舎者の劣等感があったけど、子どもを育てて人それぞれでいいと思った」と語る西村さん。小さな虫や過ぎ去った原風景など日の当たらぬ存在に目を向け、布絵本として息を吹き込んでいる。
コンクールは下松手づくり絵本の会(金井道子代表)が主催。全国から183点の応募があり、審査員は美術の評論家ら4人が務めた。完成した製本50冊が年内にも、西村さんに届けられる。
提供 - 函館新聞社
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