未来大医学部新設に意欲 西尾市長と中島学長 IT向上見据え

update 2009/9/9 11:49

 西尾正範函館市長と公立はこだて未来大学の中島秀之学長は8日、未来大への医学部新設に意欲を示した。同大開学10年記念イベントのシンポジウムの中で言及した。医師不足や地域の医療格差を背景に、IT技術の医療分野における発展性を見据えたものだが、現時点で財源や実現時期のめどは付いていない。今後、大学法人設置者の函館圏公立大学広域連合(連合長=西尾市長)で国の動きや実現性を調査する方針。

 シンポジウムで西尾市長は「未来大に医学部を求める声は多く、(同大と連携協定した)札幌医科大からもある」と説明。医療制度改革で医師不足が問題化する中、先の衆院選で政権を握った民主党が政権公約(マニフェスト)で「医学部学生を1・5倍に増やす」としていることなどから、「学長も副学長も乗り気。大学側の意思であれば議会と相談しながら調査しなければならない」と語った。

 一方、莫大(ばくだい)な費用が掛かる見通しや学部新設が難しい現状も指摘。「大事業になると思うが、医学部ができなくてもITの将来に生物、医学系は必ず関わる。それを含めて調査したい」とし、「ここから(医師を)輩出する機能が出来れば地域振興に大変な効果を生むだろう」と期待感を示した。

 中島学長は「医師不足」や「在宅医療」など医療、福祉環境における函館の課題に対する未来大の活動事例案として、IT技術を活用した「病院プロジェクト」と「遠隔医療」を紹介。「ITを使えば沖縄の患者を函館の医師が診察することも可能になる。そういう意味では地方のチャンスかもしれない」と話し、「札幌と遠い道南に医師育成の場がないのは困る。情報系の大学と医学部が結びつけば『未来型』の医療ができるのでは」と医学部新設へ意欲を見せた。

提供 - 函館新聞社




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