前市長、現職 主張対立 名誉棄損訴訟で本人尋問

update 2009/11/13 10:06

 2007年4月の函館市長選に絡んだ言動をめぐり、著しく名誉を傷つけられたとして前市長の井上博司氏(73)が現市長の西尾正範氏(60)個人を相手取り、慰謝料など1100万円と新聞への謝罪広告掲載を求めた損害賠償請求訴訟の口頭弁論が12日、函館地裁(蓮井俊治裁判長)であり、井上氏、西尾氏への本人尋問が行われた。老人福祉施設建設の許認可問題や、市長選告示前の西尾氏による「水戸黄門」発言などの争点をめぐり、双方の認識が対立した。

 施設問題をめぐっては、2006年7月20日に当時の議長同席の市長室で、井上氏が「意見書の差し替え」を福祉部長らに命じたとされる。井上氏は「一切指示などはしていない。具体的にどのように対処すべきかを聞いた。議長の同席は軽率だったと議会でも陳謝している」とした。

 一方、西尾氏は同日夜に福祉部長らから報告を聞き、「再検討の指示と受け止め、大問題だと思った。問題点を整理して、手書きのメモを正確なものにしろと指示した」と述べた。

 また、西尾氏の助役辞任から市長選に立候補するに至る一連の経緯を井上氏は「西尾氏の市長選立候補に向けた戦略、謀略の一つ」とした。また、西尾氏の「水戸黄門発言」は「悪代官と言われるようなことは全くない。名誉を棄損する言動だ」と述べた。

 西尾氏は助役辞任は井上氏への諌言(かんげん)であったとし、4月11日の集会での発言は「わたしの所信表明。井上さんを悪代官にはしたくないとも言っているし、一般論として、市の権力構造の論評にすぎない」などと述べた。

 次回期日は1月22日で、双方の弁護人が弁論を行い、結審する見通し。

提供 - 函館新聞社




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