運航再開めど立たず 函館―ユジノ線 成田線など難問山積

update 2009/11/13 10:06

 今年4月から運休が続いている函館―ユジノサハリンスクの定期航空路線は、今月に入っても依然、再開のめどが立っていない。サハリンでの石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」が一段落したことに加え、ロシア・ウラジオストク航空が運航している成田―ユジノ線のチャーター便の存在など、再開には難問が山積している。同路線を運航するサハリン航空は「ロシアからの客を呼び込む形で運航再開につなげたい」と話している。

 函館―ユジノ線は1994年に函館初の国際定期路線として開設。07年からはプロペラ機からボーイング737型(108人乗り)と使用機も大型化したが、昨年から搭乗率が20%台と低迷し、採算ベースに届かないため今年4月を最後に運休が続いている。

 サハリン航空は提携する日本航空(JAL)の羽田―函館線の乗り継ぎ客を対象に運賃を往復3万円程度に値下げし、7月には1往復が運航したが、29人(搭乗率16・4%)の利用にとどまった。

 市空港課やサハリン航空の日本地区総販売代理店、UTSエアサービス(札幌)によると、サハリン2の一段落とともに、成田―ユジノ線の影響や円高、ロシアの関税引き上げで中古車取引を行うバイヤーの利用が激減した点などが響いている。

 UTS社の郭成浩社長は「ビジネス客は運賃が多少高くても、便のいい成田から乗る傾向がある。函館線は本州からの乗客がほとんどで、成田からの路線に流れた」と話す。その成田―ユジノ線も「搭乗率は3、4割」(郭社長)といい、函館便が再開しても少ないパイを奪い合わなくてはならない現状がある。

 サハリン航空内部では撤退の議論は出ていないといい、郭社長は「さまざまなパターンで運航再開を検討している。ハバロフスクやウラジオストクなど、沿海州地域も含めて北海道の魅力をアピールしていきたい」と話す。また、市空港課は「スキー客などが増える年末年始の再開に期待したい」としている。

提供 - 函館新聞社




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