野田さん(西高)有島武郎公募絵画展で最高賞に

update 2009/11/13 10:06

 函館西高1年の野田玲菜さん(16)が、「第21回有島武郎青少年公募絵画展」(後志管内ニセコ町など主催)で最高賞に当たる有島武郎賞に選ばれた。作品は、小、中学生時代に打ち込んだバスケットボールへの思いを込めた油絵「過去の栄光を抱えて」。野田さんは「すごくうれしい。これからもっとうまくなりたい」と笑顔で話している。

 この絵画展は18歳以下の中・高生の油絵か水彩画が対象。今回は道内から282点の応募があった。

 野田さんは幼いころから絵を描くことが好きで、中学3年の時に「絵を描く仕事をしたい」と進路を選んだ。同校美術部に入って油絵の基礎をみっちり学び、9月の高文連道南地区大会に出品した初の大作は最優秀賞に輝いた。

 高文連後にこの絵画展の応募を決め、「人」を描きつつ、小学5年から中学卒業まで取り組んだ大好きな「バスケ」への思いを反映させようと構想を練った。中3の弟をモデルに自分のバスケシューズとボールを使って構図写真を撮影し、何気なく撮れた1枚を参考にした。

 約1カ月間で完成した作品は、少年がボールとシューズを手に立ち上がった瞬間を抑制した色使いでで仕上げた。あえて上半身を描かないことで、かえって想像をかき立てる新鮮な構図になった。

 「靴とボールの使い古した感じを出すのに苦労した。油絵は何度も描き直せるのが楽しい」と野田さん。受賞を「まだ実感が沸かない」と率直に語る。

 顧問の多田茂男教諭(43)は「本人の努力が認められた結果でうれしい」と喜ぶ。作品は当面、ニセコ町の有島記念館に保管される。

提供 - 函館新聞社




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