海炭市叙景の映画キャスト発表、主演に加瀬亮さん

update 2009/11/11 15:43

 函館出身の作家、故佐藤泰志の遺作「海炭市叙景」の映画化を目指す市民有志の製作実行委員会(菅原和博委員長)は10日までに、出演が内定したキャスト4人を発表した。主演となる俳優の加瀬亮さんのほか、小林薫さん、女優の南果歩さん、谷村美月さん。来年2月の正式クランクインに向け、実行委は募金活動に再度力を入れる考えで、「構想実現のためぜひ協力を」と呼び掛けている。

 加瀬さんは2008年の邦画「それでもボクはやってない」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞などを獲得。「海炭市叙景」の監督を務める熊切和嘉さんの作品で映画初主演を果たしており、今回、脚本を読んで再出演を希望したという。小林さんや南さんも脚本を読んで出演を要望しており、菅原委員長は「群像劇なので誰もが主演のような形になる」と説明する。

 製作費は当初2000万円と見積もっていたが、脚本の完成度などから予定額は4000万円に。1000万円を目標に進めている市民募金の状況は、10月末現在で約500人から約750万円が寄せられた。このうち、企業協賛として六花亭(帯広)から100万円の大口募金もあったという。

 実行委は製作資金集めの1つとして、個人・法人の投資家から製作資金を集めて運用し、収益を還元する「映画ファンド」を導入。提案した函館出身のファンドプロモーター前田紘孝さん(29)=東京在住=は「不景気な時代に夢のある事業は必要。函館の街が盛り上がるよう出身者として応援したい」と話している。映画ファンドに関する問い合わせは前田さんが代表を務めるスクラムトライ合同会社TEL03・3274・2033。

 菅原委員長は「制作に向けヤマ場に差し掛かり、これから1カ月が大事な時期。活発に活動したい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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