ニシンルネサンスin小樽、ニシンで「日本遺産」を

update 2009/11/8 14:59

 【小樽】ニシン漁にはぐくまれた多彩な歴史遺産を結び付けることで、日本海沿岸市町村の新たな地域づくりの可能性を探る「にしんルネサンスin小樽」(打越東亜夫実行委員長)が7日、小樽市運河プラザで開かれた。ニシンで栄えた文化を継承し、各地が連携して観光や産業振興に生かす方向性を確認した。

 イベントは江差、上ノ国、松前の3町観光協会でつくる北海道歴史倶楽部(会長・岩田良子上ノ国町観光協会長)の主催。市町村や観光関係者をはじめ、ニシン文化に関心がある住民ら100人を超える参加者でにぎわった。

 第1部では、松前、江差、上ノ国、島牧、神恵内、積丹、小樽、石狩の8市町村長らによる「ニシンサミット」が行われた。濱谷一治江差町長と工藤昇上ノ国町長は「ニシンを通じて日本沿岸の市町村が手をつないでいきたい」とアピール。

 田岡克介石狩市長は「文化遺産とともに水産資源として復活しつつあるニシンを結び付けることで地域再生を図りたい。同じ文化を持つ沿岸地域の連携でニシン情報を世界に発信したい」と呼び掛けた。小樽市の山田厚副市長も「ニシン文化の伝承や観光資源としての活用に向けた市民運動も立ち上がった。ニシン文化の継承が本道経済の活力になる」とした。

 コーディネーターの北大観光学高等研究センターの佐藤誠教授は「近世の日本経済はニシン魚肥が中心にあった。日本海沿岸の8市町村がニシンを中心とする文化や自然を『日本遺産』として打ち出すべき」と提案。出席した8市町村長も賛同した。

 第2部のフォーラムでは、観光、水産、まちづくりなどの幅広い分野の専門家が、ニシンが持つ“資源”としての可能性を議論。国交省の観光カリスマとして、小樽市の観光活性化に取り組む小川原格氏は「観光都市・小樽にも限界がある。市民を中心に取り組んでいる漁場建築ツアーは定員の3倍を超える人気だ。地域住民が主役となって文化を楽しみながら、訪れる観光客にも高品質の観光を提供したい」と力説。日本海のニシン資源に詳しい、道立中央水産試験場の瀧谷明朗研究員は「水産資源としてのニシンは漁獲量がランクアップしている。ニシンを軸にした観光と水産の連携も期待できる」との考えを示した。

 会場では、ニシン漁全盛期の活気を伝える、江差追分をはじめ、積丹鰊場(にしんば)音頭、松前沖揚げ音頭、江差もちつきばやしなどの郷土芸能も披露され、会場に詰め掛けた大勢の観客を魅了した。

提供 - 函館新聞社




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