新型インフル 医療態勢強化 混乱なし 函館市夜間急病センター 10月最多の2910人

update 2009/11/3 13:34

 インフルエンザの流行が続く中、函館市医師会が運営する函館市夜間急病センター(五稜郭町23)の10月の診察患者は2910人と、1976年6月の開設以来、最多となったことがわかった。このうち診察患者の49・8%(1449人)を小児科が占めている。同センターでは、患者数急増に対応し日曜・祝日に医師を増やすなど、近隣自治体と連携をしながら医療側の態勢を強化。大きな混乱はないが「利用者の協力によりさらにスムーズな診察態勢が可能になる」と呼び掛けている。

 同センターのこれまでの月間の診察患者の最高は、1996年12月の季節性インフルなどの影響による2748人だった。それを上回る今回は、駐車場が満車になり診察は夜更けまで続くことも。一日で最も多く185人の患者が訪れた10月11日と17日には、待ち時間が3―5時間となるなど患者側に負担が強いられた。

 函館小児科医会は、新型インフルエンザが子どもを中心に多く発症しているのを受け、休日当番医の小児科態勢の充実を図る方針を緊急的に決定。同センターでは10月25日から11月中の日曜・祝日に内科医を1人増員し、対応を図っている。

 態勢強化後は「待ち時間は2時間ほどと短くなった。患者数が減少しているのもあるが、診療態勢の強化がプラスに働いている」(同センター)。その一方で、利用者側に医療現場への理解を求める声も。

 小児科の処方薬は内科に比べ、調合に時間がかかる。子どもの年齢や体格など、薬の微妙な調合に慎重さが求められるためだ。それにもかかわらず、待合室で診察を待つ家族が窓口に「あと何分くらいですか?」と状況を尋ねることが多く見られ、その都度、事務員らが医師に確認することで医療現場の効率が低下しているという。

 医療関係者は「一秒でも早く、診察を受けたい気持ちは十分わかる。しかし、医療従事側も一刻も早く診察を図ろうと努力している」と話し、「一層の医療環境の充実には患者と医療従事側双方の協力が不可欠。多くの人にこの背景を把握してもらいたい」と理解を求めている。

提供 - 函館新聞社




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