若者 未来の「匠」に…函館市事業 職人と仕事の魅力体感

update 2009/11/2 09:48

 若年者の就業意欲を高めるきっかけにしてもらおうと、函館市は9月から「匠(たくみ)の弟子体験事業」を開始した。「手に職をつけたい」「自分に何ができるか知りたい」という若者に、実際に市内の事業所で働いてもらい、さまざまな仕事が持つ魅力を体感する内容だ。

 市の新規事業で、ものづくりに励む職人の仕事を広く周知すると同時に、未就労の若年者に対し働くことの必要性、苦労、その苦労を乗り越えることの楽しさを知ってもらい、就業意欲の向上につなげる目的。技能者の社会的地位向上と、技術を守る機運を高める狙いもある。

 これまで2人が体験。10月下旬には、高校を中退後、就職活動を行ったが10件以上に断られ、「就業経験を積みたい」と応募した15歳の男性が塗装業者で作業補助を体験した。南北海道塗装工業協同組合所属の石山塗装工業で働き、足場組み、下準備、塗装など幅広い業務を先輩のサポートを受けながら体験した。

 同社の石山修司社長(59)は「言われたことをきちんとやるし、積極的に仕事に取り組んでいる。楽しいことも、苦しいこともあるが、この経験を今後につなげてほしい」と話す。男性は「こうした職場で働くのは初めて。以前の気持ちなら就職が決まってもすぐに辞めていたかもしれないが、今は実際に経験したことを生かしたい気持ちでいっぱい」と笑顔をみせ、「期間が終わったらまた前向きな気持ちで仕事を探せる」と自信を得た様子だ。

 同事業の体験可能業種は左官、建築板金、板金、造園、塗装、建具など。体験者の経験を考慮しながら、作業補助などを行う。体験期間は最大10日間で、1日8時間以内。対象は原則市内の15―35歳までの未就労者で、本年度の定員は10人。問い合わせ、申し込みは市経済部労働政策室労働課TEL0138・21・3308、ファクス同27・0460。

提供 - 函館新聞社




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