尾札部道路の建設促進を訴え 地元住民らが今年も盛土遺構を再現

update 2009/10/30 10:02

 函館市南茅部地区の国道278号尾札部道路(尾札部―大船間14.75キロ)建設促進をアピールしようと、市と地元住民ら約25人が29日、大船遺跡付近の海岸から石を運び、縄文時代の盛土遺構を再現する取り組みを行った。

 昨年に続いて2回目。同道路は尾札部―川汲間約6キロが開通済みで、現在鹿部方向に延伸工事が進められている。バイパス整備が物流や防災、交通安全のほか、世界遺産登録を目指す同地区の縄文遺跡群へのアクセスに欠かせないことを、強くアピールすることが狙い。地元の8町内会や漁協、商工会、市で構成する尾札部道路建設促進地域協議会(会長・加藤詔三臼尻町内会長)が主催した。

 盛土遺構は縄文人が使用しなくなった土器や石器などを廃棄して重なった地層。始めに市教育委員会の阿部千春参事が同遺跡と国宝土偶について講義をした。続いて参加者は徒歩で海岸まで降りて、海岸清掃を行うと同時に大小約200個の石を収拾。トラックに乗せて同遺跡付近に運んだ。大きなもので重さ20キロほどの石を、2人で担ぐてんびんなどで運び、遺構の上に置いて当時の様子を再現した。

 加藤会長は「小さな試みだが、1日も早く大船まで延伸してほしいという気持ちの表れ。地域も頑張っているということを国土交通大臣にわかってほしい」と早期延伸を訴えた。市土木部新外環状道路整備推進室の米谷富幸室長は「この試みは地域と連携しながら、国道整備という地域に必要なものを訴える新しいやり方。今後も続けていきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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