うまい“コンブ”できた 特産「カニ形」に 郷土PR

update 2009/10/24 22:09

 コンブをカニの形にかたどり、鍋料理のだしにし、特産でおいしい料理の演出を目指す有志がいる。福島町の鉄工所社長、鳴海健児さん(69)と同町出身で札幌在住の木彫り作家、小笠原みくらさん(70)だ。二人は福島中学校の同級生。作品は商品化され、函館市若松町の和光ビル内の一角に展示されている。

 福島町はマコンブ養殖が盛んな土地。「品質の良さを積極的に周知し、地元漁師の頑張りを後押ししたい」―。福島が生んだ“二大芸術家”が初の合作に挑む。

 先に、函館市元町のギャラリー村岡で開かれた小笠原さんの作品展会場へ鳴海さんが駆けつけ、打ち合わせをした。「おれたちが持つ、ものづくりという表現法を地域に少しでも還元できればうれしいな。だれかに勧められてやっているのではなく、自分が楽しんで作品づくりに没頭する。こんな幸せな時間はない。名前は『コブカニ』でどうだ」と二人は無邪気に笑いながらデッサンを仕上げた。

 コブカニは21日、和光ビルの「夢を形にするアンテナショップ〜たまて箱」に登場。市街地活性化を図ろうと、地元の作家らが手づくり作品を展示販売する場所だ。

 公立はこだて未来大の学生プロジェクトに加わる形でコンブ作品が置かれている。同大の鈴木克也教授は「福島からの情報発信をもっと注目、評価し、広域的な連携でこの道南を盛り上げていきたい。作品を通して、郷土を思う作者の情熱を多くの人と共有できればうれしい」と期待する。

 小笠原さんは動物や人間を題材に、丸みがあって、ごつごつした木彫り作品を手掛ける。「生命の営みの中にある複雑な関係。これを目にし、肌で触れたとき何かを感じるでしょう」と語る。

 鳴海さんは「コンブ作家」の愛称を持ち、新幹線の先頭車両の模型、福島大神宮の本殿、町内の古道を歩いたとされる榎本武揚を題材にする作品をつくってきた。多くが無償提供され、「素晴らしい仕上がり。あめ色のコンブの照り具合が美しい」などと各地で重宝されている。

 二人は「福島を含め、道南全体を盛り上げたい。われわれの思いは必ず、だれかが理解してくれる。このコンブ芸術は最高だ」とさらなる夢の構想を膨らませている。

提供 - 函館新聞社




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