函館市 08年度連結決算は黒字

update 2009/9/7 09:43

 2007年度に赤字を出した函館市の全会計連結決算が、08年度は黒字に転じ、数値上の財政状況は良くなった。病院事業会計の資金不足が公立病院特例債(借金)の発行により圧縮されたためで、普通会計決算も予定していた基金の取り崩しをしないで黒字を維持することができた。

 地方財政健全化法に基づき、07年度決算から自治体の財政状況を指標で公表することが義務付けられた。@普通会計の実質赤字比率A全会計の連結実質赤字比率B実質公債費負担率C借金の将来負担比率―の4点。

 市財政課によると、08年度の普通会計決算は7億7000万円の黒字で、@の実質赤字比率は0%。行財政改革による職員削減で10億円規模の効果額を生み出していることから、予定していた基金10億円の取り崩しをせずに済んだ。しかし、国が認めた借金である退職手当債の発行などで歳入を賄っている面もあり、基金の取り崩しや過度な借金に頼らない財政運営が求められる。

 普通会計に特別会計や企業会計を加えた連結決算は8600万円の黒字となり、Aの連結実質赤字比率は07年度の1・55%から08年度は0%となった。国民健康保険事業が6億4000万円、自転車競走事業が5億2000万円の累積赤字を抱え、病院事業も21億7000万円の資金不足があるが、普通会計のほか水道事業の黒字15億7000万円などでかろうじて黒字に転換した。ただ、水道事業会計の将来予測は厳しく、病院事業も特例債で一時的に借金を借り換えしたに過ぎず、課題がある。

 標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費負担率は07年度の10・8%から08年度は10・0%に改善し、国の黄信号ライン25%も下回っている。借金の将来負担比率は143・5%から同じく128・7%に減り、黄信号ライン350%には達していない。

提供 - 函館新聞社




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