縄文時代の人骨出土…福島・館崎遺跡 盛土遺構から

update 2009/10/18 13:22

 【福島】北海道埋蔵文化財センター(江別市)が発掘調査を進めている福島町の「館崎遺跡」の盛土(もりど)遺構の中から、縄文時代前期の終わりごろ(約5000年前)のものと見られる人骨が出土した。同遺跡から人骨が発見されたのは初めてで、数十万点にもおよぶ土器や石器などの遺物も発掘されている。同センターは「盛土によって縄文時代の人骨が保存されていた。遺物も予測以上の量が出土している」と話している。

 今回の発掘は新幹線工事に伴う埋蔵文化財調査で、同遺跡の一部約1690平方メートルが対象。過去には青函トンネル工事の際に数度、調査が行われた。今年の5月上旬に発掘調査が始まり、10月6日に人骨が発見された。また、盛土遺構の中からは竪穴住居跡20軒も確認されている。

 人骨は2体分で、1体は頭部から足まで分かる状態で、もう1体は頭部が確認されていない。人骨の周りには、石斧(せきふ)も埋められており、副葬品の可能性もあるという。性別や身長は不明で、埋められていた穴の大きさなどは今後、詳しく調査する。

 同センター館崎遺跡調査事務所によると盛土遺構は、縄文人が土を盛り上げ丘にしたもので、今回の調査で、押しつぶされているが、個体の状態を保った多数の土器などが出土しており、土と一緒に盛られていたことが確認された。

 館崎遺跡は渡島半島から青森、岩手と秋田の北部で形成された円筒土器文化圏で、三内丸山遺跡(青森県)でも、館崎遺跡と同じ種類の土器が出土している。

 同センター調査部の影浦覚主任は「盛土のおかげで人骨が残っていた。貴重な発見」と話している。

 今年の発掘調査は11月末まで行われる予定。

提供 - 函館新聞社




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