函館発バル街 全国に広がり
update 2010/9/23 13:18
函館で生まれた「函館市西部地区バル街」を参考にしたイベントが近年、全国各地で開かれるようになった。実際に開催した市や町では、バル街のノウハウを取り入れつつ、地域の特色を生かしたイベントを作り上げ、にぎわいを創出させている。大分県の別府温泉で生まれたオンパク(温泉泊覧会)や山形県新庄市の100円商店街などように、バル街も函館発のまちおこしイベントとの成功例として各地に波及しそうだ。
バル街はスペインの立ち飲み居酒屋(バル)を飲み歩く風習をヒントにし、参加飲食店が用意したピンチョー(つまみ)をはしごしながら楽しむイベント。西部地区の由緒ある街並みを市民に親しんでもらいたいと、同市内のスペイン料理店のオーナーシェフ、深谷宏治さんが発案し、2004年から年2回のペースで行われている。
25軒からスタートしたが、その後参加店が増え、今月12日に開かれたばかりの第14回も過去最高の74軒に上った。定着すると観光客にも広まり、全国各地の自治体関係者やまちおこしグループが視察に訪問。実行委員会(委員長・深谷さん)もバル街の運営方法を惜しみなく伝えた。
宮城県石巻市では、バル街のノウハウを取り入れて「ボンバールいしのまき」を昨年、今年と8月に実施した。料理記者の紹介でバル街を知り、昨年4月に視察した有志6人が魅力を体感し、開催を呼び掛けた。
2回とも市の一大音楽イベント「トリコローレ」音楽祭と同時開催し、にぎわいを見せ、運営に当たったまちおこしグループの「知産地賞の会」は「普段行けない店や知らない店を新たに知る楽しさがあり、まちを歩くきっかけになったのでは」と効果を語る。
兵庫県伊丹市でも同様にバル街のノウハウを取り入れ、中心市街地で「伊丹まちなかバル」を、09年10月と今年5月、今月19日と3回開催。参加店は54軒、80軒、82軒と増加。清酒発祥の地として知られる市の土地柄を生かした、日本酒の振る舞いが好評で、実行委のメンバーは「近年、魅力的な店が出店し、イベントを始めるきっかけとなった。今後も継続させていきたい」と手ごたえをつかむ。
その伊丹市からノウハウを取り入れた和歌山県田辺市は11月6日に「南紀田辺☆うめぇバル」を行う予定。特産の梅を生かし、梅酒の振る舞いなどを企画し、主催団体は「海が近く海産物が豊富。食の資源を生かし、まちの活性化と交流を生み出したい」と意気込みを見せる。
このほか、福岡市も11月3日に「バルウォーク福岡」を開催する。
こうした流れに深谷さんは「バル街は行政の補助金に頼らず、民の力で運営を継続してきた。こうした取り組みが広がることは将来の日本にとって良いのでは」と話している。
提供 - 函館新聞社
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