函館のプレミアム商品券利用状況まとめ/経済波及効果と課題
update 2010/9/21 11:17
函館商工会議所は、5月下旬に発行した函館市内のプレミアム(割り増し)付き商品券の利用状況をまとめた。2年目となった今年は「販売促進につながった」と答えた取扱店が前年より増えた一方、10%のプレミアム率については「低すぎる」との回答が増え、一定の経済波及効果と課題がそれぞれ浮き彫りになった。
商品券は箱館奉行所のオープンを記念し、1万円で1万1000円分の買い物ができる10%の割り増し付き。計3万セット・額面総額3億3000万円分を発行し、販売開始から約2週間で完売した。昨年の約1・5倍に当たる約1070店が参加し、7月末で使用期限が切れた。
同会議所が取扱事業所向けに行ったアンケート結果では、「販売促進に結びついた」と答えたのは38・7%で前年より5・2ポイント増加。さらに今後も参加したいかどうかについては、前年より7・3ポイント多い81・5%が「参加したい」と答え、店側の手応えもうかがわせた。
一方、プレミアム率が昨年の15%から10%に低下したことについては「これで良い」が79・2%で、前年より9・3ポイント下落。「低すぎる」は前年より12・4ポイント増の17・9%だった。「前回よりもインパクトや盛り上がりに欠けた」(参加店)要因につながった格好だ。
同時にまとめた8月末現在の商品券の換金状況によると、換金額の上位7店はいずれも百貨店や食品スーパーなど大型小売店が占め、全体の64・5%に上った。地区別では大型店が集積する美原地区での利用が最も多く、全体の半数近くに達した。
業種別ではデパートやスーパーの多くが前年を下回る苦戦を強いられた一方、家電量販店やホテル・旅館などが前年を大幅に上回り、同会議所は「昨年より使用期間が短く、2年目だったこともあり、目的を持って計画的に使用した人も多かったのでは」とみる。
今年初めて行った利用者向けのアンケートでは、事業の継続を求める声が大勢を占めたが、「販売日は給料日後か6月下旬のボーナス後がいい」「500円券の方が使い勝手が良い」との声も。一方、店側からは「小売業にメリットが偏る」(住宅設備業者)「1000円券にしたことで利用が減った」(コンビニ)などの意見も寄せられた。
同会議所は「約2カ月間で3億3000万円が実際に消費されたことを考えれば、市民の消費喚起に一定のプラス効果はあった。店側の意向とと消費者の利便性とのバランスが難しく、今後は販売する時期や額、プレミアム率、使用期間などをさらに検討したい」としている。
提供 - 函館新聞社
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