函館市高齢化率27%
update 2010/9/20 12:12
20日は「敬老の日」。函館市がまとめた8月末の老年人口(65歳以上)は7万6181人(男性2万9858人、女性4万6323人)で、全人口28万2286人(男性12万9243人、女性15万3043人)に占める比率(高齢化率)は27・0%となった。椴法華地区など旧4町村や西部地区で高く、農業、水産業の後継者不足や地域の活力低下は年々深刻になっている。
今年3月末時点の高齢化率は、全国が22・7%で全道は24・3%だった。函館は2007年9月に25・0%、08年11月に26・0%を越え、今年3月末に27・0%となった。4月からやや下がったものの、8月末に再び27・0%となった。
人口10万人以上の道内9市の中では、函館は小樽の31・1%に次いで2番目に高かった。人口の最も多い札幌は20・1%。全道的に、広い商圏があることや、交通網の整備が進んでいるなど、生活に便利な地域で低い。札幌圏では恵庭20・4%、千歳17・1%となっている。
函館で今年8月末の高齢化率を支所別にみると、本庁30・0%、湯川28・6%、銭亀沢29・6%、戸井33・6%、恵山36・0%、椴法華36・2%、南茅部32・5%と高い。一方で、人口総数が本庁よりも多い11万9929人の亀田は23・0%と全道平均よりも低い。市内でも大型店舗が多く、車で各方面への移動が便利な場所であり、若い世代が流入しているとみられる。
小樽と函館の共通点として、古くから港湾都市として発展したことが挙げられる。市内西部地区で、最も高齢化率が高い住吉町は8月末で42・0%となった。同町で生まれ、現在も住んでいる主婦(66)は「通っていた旧函館谷地頭小学校の児童は700人以上いた。現在、その世代が老年人口となっている。西部地区は古い町のため各家の土地は狭く、駐車場を整備して2世代が過ごせる家を建てられないことや、商店や廉売がなくなる一方で、子どもの代は離れていった」と話す。
若い世代より高齢者が多い町もある。旭岡町は、15―64歳が45・7%に対し老年人口は48・8%。同町会の工藤敏夫会長(65)は「農家の多い地域で、後継者がいないので、高齢者が残って力を合わせて頑張っている。国や市の経済が良くなり、農業でも多くの収入を得られるようになれば、若い人も残ると思う」と語る。
住吉町の主婦は「道幅は狭く、冬は除雪車が入れないため、生活の苦労を考えると若い世代は住むのを嫌がる。西部地区は函館の繁栄を支えてきたのに、地域の基盤を整備してくれないと、高齢化は進み地域の活力はなくなる一方」と危ぐする。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。