江差線経営分離の財政支援 函館市議会、国への要望書提出せずで一致
update 2010/9/8 10:39
JR江差線の五稜郭―木古内間(37・8キロ)が北海道新幹線開業時に経営分離される問題で、函館市議会は7日、北斗市が要請していた、国に財政支援策を求める要望書を提出しないことを確認した。道と沿線3市町でつくる、道南地域並行在来線対策協議会で議論が行われていることを重視しての判断で、鉄路維持を求める北斗とのスタンスの違いが浮き彫りとなった形だ。
この問題をめぐっては、国が並行在来線を抱える自治体に対し、地方負担の軽減策について具体的内容を示していないことから、北斗市は8月に道内選出国会議員へ要望書を提出することで一致。函館市と木古内町に対して共同提出を呼び掛け、木古内町は賛同する意思を示したが、函館市は態度を保留していた。
市議会は7日の本会議終了後に各派代表者会議を開き、北斗からの要請について協議。複数の関係者によると、協議会において道の方針が明確に示されていない中での要望書提出は困難とする意見で一致したという。札幌延伸に伴う函館駅―新函館駅の経営分離問題も抱える点から、特別委員会や協議会の設置を求める声も出た。出席者の1人は取材に対し「協議会の議論から先行して、要望書を出すことには抵抗がある」と話す。
協議会では全区間鉄路維持の場合、30年間で105億円の累積赤字が出ると試算。市関係者は同路線が市内を走る距離が2キロと短い上、人口比率や財政規模の面から、鉄路を維持した場合に多額の財政負担を強いられる―との懸念もあり、別の出席者は「(国の財政支援で)赤字額が半分になったとしても、バス転換からは赤字額がかけ離れている」とする。
提供 - 函館新聞社
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