公共工事減少に悲鳴 桧山・本年度
update 2010/9/5 13:00
【江差】国は2008・09年度、経済雇用対策として3次にわたる大型交付金を編成。桧山管内7町には総額約38億円の交付金が流れ込んだ。だが、民主党政権下で、子ども手当や高校授業料無償化など、直接給付型の政策にシフトした本年度はゼロ。管内では財政難に伴う緊縮財政も相まって公共工事が大きく減少しており、長引く不況にあえぐ建設業界からは「もう限界だ」と悲鳴も上がる。
09年2月に自民党政権は、定額給付金と並行して総額6000億円規模の「地域活性化・生活対策臨時交付金」を、7月には1兆円規模の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を全国の自治体に配分。桧山管内の交付額は17億718万円と12億7905万円に上った。昨年9月発足の民主党政権下でも、今年1月に5000億円規模の「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」が編成された。2次配分を含めると管内7町では8億円規模となった。
管内では09年4月に建設系商社・ナルミ(乙部町)が破たん。建設業界を中心に連鎖倒産が相次ぎ大きな打撃を受けた。3次の交付金は「地域経済にとってタイムリーな支援になった」(ある建設業者)。交付金は自治体の裁量が重視され「積み残しだった多くの懸案事業に活用できた」(上ノ国町)と評価された。
だが、交付金による事業発注が一段落した今夏、管内の建設業界は、公共工事減少という反動にあえいでいる。江差町では08・09年度、交付金を財源に多くの公共工事を発注。建設、設計、上下水道関連の委託業務などを含めた250万円超(設計・測量は100万円超)の発注件数は49件、契約額は7億円に迫った。しかし、本年度は財政再建に伴う予算削減もあり、8月時点の発注数はわずか11件、契約額は6400万円余りに過ぎず、年度後半の発注見通しも暗い。
他町でも交付金事業の反動で、町単独予算による工事発注は大きく目減りしてきた。建設業界からは「民間の工事もほとんど無い中でこの冬を乗り切れない」「このままでは経営が行き詰まる企業が出てくる」と悲痛な声も上がる。
提供 - 函館新聞社
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