携帯電話用ゲーム「コロプラ」に熱視線
update 2010/9/4 13:11
携帯電話の位置情報機能を使ったゲームが、新たな観光ツールとして注目を集めている。函館国際観光コンベンション協会は、仮想世界と実際の旅行が連動した道内初の公式ツアーを開催。ゲーム内の特典を得られる実在の店舗や施設などを1泊2日の弾丸ツアー≠ナ巡り、併せて道南の魅力を知ってもらう狙いだ。旅行者のニーズが多様化する中、集客や地域振興の新たな一手として「位置ゲー」に関係者の熱視線が注がれている。
「このコロカが欲しかったんです。広い北海道を一気に回れて、ついでに観光もできるなんて得した気分」。8月29日、公式ツアーに参加した東京都内の会社員、赤平大輔さん(34)は、後志管内寿都町にある小さな個人商店で買い物した際に受け取ったカードをうれしそうに見せてくれた。
ゲームは携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)機能を利用した「コロプラ」。実際の移動距離に応じてもらえる仮想通貨「プラ」(1`=1プラ)を使い、仮想の街「コロニー」を発展させていく。現実と仮想空間を結びつけたことで若者や出張の多いビジネスマンらに人気を呼んでいる。
各地の提携店で品物を買うと、店独自の特製カード(コロカ)がもらえ、そこに書かれた番号を入力すると、ゲーム内で希少な「仮想お土産」を手に入れられる。提携店以外でも、松前城や函館朝市周辺など限られた地域に行かないと獲得できないご当地土産もある。
コロプラ人気に目をつけた同協会は、旅行会社のJTB北海道函館支店と協力して、首都圏や札幌圏の愛好者を対象にしたバスツアーを初めて企画。同協会の福嶋英人企画宣伝係長は「周遊型の広域観光の新たなモデル。各地で消費行動やそれぞれの魅力を再発見してもらうきっかけになれば」と語る。
ツアー名は「広大な大地 みなみ北海道制覇2日間」。初日は新千歳空港から苫小牧や登別温泉などを経由して寿都町にある道南唯一の提携店・吉野商店に。その後、南下して函館市内で宿泊。2日目は函館朝市や西部地区を通って松前まで足を延ばし、最後に五稜郭・箱館奉行所を訪れ、函館空港やJR函館駅から帰る。
全行程約600キロを1泊2日で巡り、「バスでの移動時の方が長いぐらいの強行日程」(JTB北海道函館支店)という。1カ所の滞在時間は長くても1時間足らず。洞爺湖や室蘭の地球岬ではわずか10分ほど立ち寄っただけで、「こんなツアーは初めて」とベテランのバス運転手も驚く。
今回の参加者は首都圏や札幌在住の10―50代の12人。多くが1人で参加し、中には母親が愛好者という親子もいた。札幌から参加した40代の女性会社員は「自分一人では回りきれないけど、ツアーでは同じ目的を共有したり、情報交換したりできる。実物のお土産も買い込み、リアルマネーも相当落としました」と満足げだった。
本年度のツアーは10月2、3の両日と同16、17の両日にも企画されている。羽田発4万9800円、新千歳発2万8800円。定員は各回とも40人で、添乗員やガイドも同行する。申し込み、問い合わせはJTB北海道函館支店TEL0138-56-1711。
〈コロプラ〉 正式名称は「コロニーな生活☆PLUS(プラス)」。携帯電話に搭載されたGPS機能を使い、通勤や通学、旅行などで実際に移動した距離に応じてゲームで使える仮想通貨「プラ」を入手。プラを元手にアイテムを買い、人口を増やして仮想の街「コロニー」を発展させていく携帯電話ゲーム。愛好家は全国で120万人に上る。
提供 - 函館新聞社
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