千秋庵の歩み一冊に、創業150年で記念誌作製

update 2010/8/27 13:43

 1860(万延元)年に創業し、今年で150年を迎えた函館市の老舗菓子店「千秋庵総本家」(松田俊司社長)がこのほど、記念誌「150年の歩み」を作製した。約1万5000部を発行し、宝来町の本店をはじめ市内の4店で無料配布している。

 記念誌はA4判カラ―刷り、22ページ。松田社長が同店に残された資料や写真などを活用して編集した。「150年間支えていただいた感謝の気持ちを込めた。これまでの歩み、わたしたちの菓子作りの姿勢を伝えることができれば」と話す。

 記念誌によると、秋田藩の下級武士であった佐々木吉兵衛が、開港でにぎわう箱館港で仕事する人を相手に食べ物や甘い物を立ち売りしたのが始まりと記されている。

 94(明治27)年に小樽千秋庵が、1919(大正8)年に旭川千秋庵がそれぞれ開店。小樽千秋庵から札幌千秋庵が生まれ、札幌千秋庵から帯広千秋庵(後の六花亭製菓)が誕生している。のれんを受け継いだ釧路、小樽、旭川の千秋庵は廃業し、現在、千秋庵を名乗るのは函館の千秋庵総本家と札幌の千秋庵製菓となっている。

 記念誌では、店の歴史を伝えているほか、「元祖山親爺(やまおやじ)」や「どらやき」といった店の看板商品の製法を記載。工場での菓子作りの様子や繊細な技で作った和菓子など写真で紹介した。

 創業150周年の事業の一環として、函館開港150周年だった昨年は、七飯町産のリンゴを使った「函館林檎(りんご)パイ」と道産バターを原料にして仕上げた「函館フィナンシェ」を発売。今年6月には「どらやき」を定価の39円引きの150円で販売した。

 松田社長は「菓子作りの意義はおいしさを通じてお客さまに喜びを提供することと考える。節目を契機にこれまで以上に精進する」と話している。

提供 - 函館新聞社




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