世界遺産登録へ推進専門家委「垣ノ島も縄文遺跡群に追加を」
update 2010/8/24 12:21
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた基本コンセプトを整理する「第4回縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会」(委員長・菊池徹夫早稲田大学名誉教授)が23日、函館市役所で開かれた。委員から、同市南茅部地区の垣ノ島遺跡を登録に向けた遺跡群に追加することを求める声が上がるなど、今後、現状の15遺跡に加え新たに道南から世界遺産候補が出てくる可能性も出てきた。同委員会が遺跡の追加について言及するのは初めて。
会合では、世界遺産登録を目指す遺跡群について、現状の北海道と北東北とした地域設定の理由などを協議。事務局は「縄文時代、この地域は共通の物質文化を持った文化圏が成立していた。日本の縄文文化を代表する地域と言え、遺跡を群としてとらえる場合、現状のくくりが妥当を考える」と北海道、青森、秋田、岩手の4道県で構成した理由を説明した。
その中で委員の小林達雄国学院大学名誉教授は「まだまだ重要な遺跡はあり、この15遺跡だけでいいのか。垣ノ島遺跡や大森勝山など早急にこの中(遺跡群)に入れるべき」と指摘。垣ノ島遺跡(臼尻町)は国内最大級の盛土遺構が確認され、環状列石が特徴的な大森勝山遺跡は青森県にある。
また遺跡群を現状の範囲とする理由を菊池委員長は「この地域は日本各地にある縄文文化の一番色が濃いところ。根源的な縄文文化の地だと思っている。今後それをわかりやすく一般や世界に伝えることが大事」と見解を述べた。
このほか「貝塚」の調査報告が行われたほか、委員会に先だち、鷲ノ木遺跡と大船遺跡の視察が実施された。同委員会は全国の考古学者ら7人で構成され、函館では初開催。会には関係者を含め約40人が出席した。同遺跡群の世界遺産登録に向けたエリアや縄文文化の定義、遺跡の位置付けなどの考え方を統一するため昨年6月に設置された。同委員会で示された方針は国への推薦書に盛り込まれる。
提供 - 函館新聞社
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