景況感4年ぶりプラス

update 2010/8/23 10:36

 函館商工会議所は、会員企業を対象した本年度第1四半期(4―6月)の景気動向調査をまとめた。景況感が「好転」と答えた企業の割合から「悪化」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数(DI)は3・1で、前期(1―3月)に比べて32・3ポイント上昇の大幅改善となった。DIがプラスに転じたのは4年ぶり。

 業種別では、全5業種のうち小売業が前期比45ポイント上昇の12・9、サービス業が40ポイント上昇の23・3とマイナスからプラスに大幅改善。製造業は43・8ポイント上昇のゼロ、卸売業は26・5ポイント上昇のマイナス8・1とそれぞれ改善したが、建設業は公共事業の削減などを背景に14・3ポイント低下のマイナス14・3と悪化した。

 新たに設備投資を実施した企業の割合は、全業種で23%に上り、前期より6・8ポイント増えた。特に老朽化による更新などを理由に製造業で前期より大きく伸びたほか、小売業やサービス業では今期の売り上げ増に伴って増設した企業割合も増え、積極的な事業展開も出始めた。

 次期(7―9月)の見通しは、全業種で今期に比べて5・6ポイント低下のマイナス2・5と悪化を予想している。業種別では、卸売業や小売業では今期より小幅ながら改善を見込んでいるものの、建設業が33・3ポイント低下のマイナス47・6と悪化幅が大きく、悲観的な見方を強めている。

 同会議所は「公共事業の削減で建設業で厳しい状況が残っているが、全体としては函館の景気の底入れ感もうかがえる。ただ、先行きに関しては企業は慎重な見方を崩していないため、今後も持ち直しの動きが続くかどうかは不透明」としている。

 調査は同会議所の会員企業460社を対象に行い、161社から回答を得た。回収率は35%。

提供 - 函館新聞社




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