タイムカプセル見つからなくても 思い出は心に鮮明
update 2010/8/16 10:17
児童数の減少などで1998年3月末に閉校した旧戸井町の汐首小学校(現函館市汐首町)で15日、タイムカプセルの掘り起こし作業が行われた。グラウンドに埋めたはずの思い出の品々は見つからなかったが、参加者は「楽しかった時間がよみがえった気分。またみんなで集まって探せばいい。楽しみが増える」と笑顔で再会を誓った。
当時の2、3年生複式学級の5人と担任だった佐野法子さん(68)、仕事などで来られなかった同級生の母親が駆けつけ、元気な姿で近況を報告した。
タイムカプセルの場所は大まかに分かるものの、グラウンドには草木が茂り、掘り起こしは困難を極めた。仲間の記憶だけが頼りで「確かここのはず」「あれ?あそこの大きな木の下に埋めたかもしれない。大きな石も持ち運んだよね」などと話しながらスコップで掘り続けたが、発見することはできなかった。
また、戸井支所の協力で校舎に入り、体育館や教室を回り、当時の学校生活の様子を回想。佐野さんは児童の作文を読み聞かせ、授業の話、家族の笑い話、地域住民との交流を振り返り、「小さな学校だったけど、みんなが仲良く、地域の絆(きずな)の象徴そのものだったよね」と思いを寄せた。
函館高専5年の境宏基さん(20)は「一瞬にして小学生のころの懐かしさや楽しさがよみがえった。作文は読みごたえがあったけど、ちょっと恥ずかしかった」とにっこり。2児の母の鍵まどかさん(21)も「校舎のにおいで色々な思い出が浮かんできた。どれも楽しいことばかりで、またこうしてみんなに会えたらうれしい」と声を弾ませていた。
佐野さんは「タイムカプセルを見つけることができずに本当に残念。でも、またみんなでここに集まることを約束した。子どもたちが立派な大人になった姿を見られて安心した。これからもそれぞれ頑張ってほしい」と目を細めていた。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。