大雨でサクラマスなど800匹死ぬ…北大七飯淡水実験所

update 2010/8/14 14:23

【七飯】11日夜からの大雨の影響で、北大北方生物圏フィールド科学センター七飯淡水実験所(町桜町2、山羽悦郎所長)で飼育するサクラマスなど淡水魚約800匹が死んだことが13日、分かった。同実験所によると、河川水を引き込むための取水管に大量の砂が入り、実験所への水の流れが止まったため。同実験所では、7月末の大雨でも泥が入り込み、大量の魚が死亡したばかりといい、今回と合わせて、飼育する親魚の約9割に当たる1400匹以上が死ぬ壊滅的な被害となった。

 同実験場は、鳴川から取り込んだ河川水を利用し、敷地内にある13のコンクリート池などでサケマス類などの淡水魚を飼育している。11日夜からの雨で、鳴川近くの取水管に砂がたまり、12日早朝に水の流れが完全に止まったという。職員らはチョウザメなどの一部の魚を避難させるなど対応に追われ、取水口近くのマンホールから砂を取り除いたり、清掃業者に依頼し池の汚泥もくみ上げたが、13日午後になっても泥がたまった状態が続いているという。

 この影響で、秋の実習で採卵予定のサクラマス約300匹や、カットスロートなど計約800匹が死亡。中には15年以上飼育するイトウも含まれ、山羽所長は「愛着があった魚も多い」と肩を落とす。井戸水を利用し、水槽で飼育している実験棟内の稚魚類は無事だった。

 同実験所では、1990年8月にも大雨の影響で、親魚約1200匹が死ぬ被害に遭ったが、これまで河川水の流れそのものが止まったことはなかったという。大量の酸素を必要とするサケマス類に与えた影響は大きかったとみらる。山羽所長は「砂で取水管が詰まることはこれまでなかったことで、どこから砂が流れ込んだのか、原因をはっきりさせないとならない。イトウが産卵可能になるまでは約6年、そのほかの魚も親魚となるまでは数年の時間がかかるだろう」と話していた。

提供 - 函館新聞社




前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです