同胞慰霊祭、犠牲者の冥福祈る

update 2010/8/13 14:29

 戦時中に朝鮮半島から日本に強制連行され、祖国に戻ることなく死亡した朝鮮人らの霊を弔う「同胞慰霊祭」(朝鮮総連函館支部主催)が12日、函館市船見町の朝鮮人慰霊塔で行われ、関係者が犠牲者の冥福を祈った。

 戦時中の道南では、強制連行された朝鮮人らが旧戸井線や松前線の鉄道工事など過酷な労働に従事し、その多くが命を落としたと伝えられている。仲間を追悼しようと同支部が1990年に納骨堂を兼ねた慰霊塔を建立。塔には約20人の御霊を祭っており、以来毎年、慰霊祭を行っている。

 今年は慰霊塔を建立して20年の節目に当たり、劣化した塔の外壁を全面塗装して慰霊祭を迎えた。同支部や在日本大韓民国民団(民団)函館支部のメンバー、日本人関係者ら約20人が出席。今回初めて住職を招いて法要を行い、東京都新宿区にある観音寺の徐洪錫住職がハングルで読経。参列者も祭壇で焼香し、手を合わせていた。

 総連函館支部の崔英学委員長が「在日朝鮮・韓国人の歴史、先人の思いを語り継いでいくうえで慰霊祭は意義のあること。節目の20年を迎え、その思いを新たにした」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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