五稜郭公園 郭内「禁煙」です

update 2010/8/12 12:43

 国の特別史跡「五稜郭跡」がある五稜郭公園の郭内が、7月29日から禁煙となった。箱館奉行所をはじめとする史跡を保護するためで、公園内で禁煙措置を取るのは函館市では初めて。市教委は「奉行所開設を機に保護保全の観点などから禁煙を決めた。奉行所は後世に伝えていかなければいけない建物で、市民には不便をおかけするが理解してほしい」と話している。

 禁煙となるのは、堀の内側の郭内。函館の風物詩でもある春の花見時期のバーベキューは、これまで通り堀の外側の指定区域内で楽しめる。

 禁煙措置は函館市が2006年から復元工事を進めていた同奉行所の公開が開始された同29日から実施。一般公開開始以前は、郭内に灰皿が2カ所設置されており、喫煙は可能だった。しかし同奉行所の保護・保全の観点や、健康増進などを目的に近年は公共のスペースで禁煙措置が取られていることから、市教委と公園を管理する市土木部が協議して実施に踏み切った。

 同公園のような都市公園での禁煙は全国でも例がある。市土木部は今回の措置に向け、全国の中核市や道内主要都市68市に都市公園の禁煙状況をアンケート調査した。回答では千葉県柏市、埼玉県川越市のほか、道内では岩見沢市が禁煙を実施。適用範囲はさまざまだが、理由としては「公共施設で全面禁煙を行っている」「受動喫煙防止」を挙げている。

 また文化財保護の観点では石川県金沢市の史跡「金沢城公園」が園内の大部分で禁煙を実施。同県公園緑地課は「公園の面積が広いので、園内に2カ所だけ喫煙場所を設けている」。今回の五稜郭公園の措置について、国の史跡を所管する文化庁記念物課は「こうした文化財がある場所では火気取り扱いの注意を喚起している。今回の禁煙措置は望ましい」と評価した。

 一方、函館市民からは「知らなかった」「いつから禁煙になったのか」などと、よりわかりやすい周知を望む声が上がっている。同公園の禁煙周知は現在、一の橋広場と郭内をつなぐ橋のたもとに設置された看板1基のみ。市教委は「今後看板を増やすとともに奉行所や、市のホームページなどでも周知を進めたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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