函館税関、引き揚げ者の通貨など返還呼びかけ

update 2010/8/11 11:01

 15日の終戦記念日を前に、函館税関は、終戦後に海外から引き揚げた人から上陸港で預かった通貨や証券などの返還を呼びかけている。同税関では保管総数の約3割しか返還が進んでおらず、「家族でも心当たりがあれば気軽に問い合わせてほしい」としている。

 保管しているのは、樺太(サハリン)や旧満州(現中国北東部)からの引き揚げ者が税関などに預けた通貨や国債などの証券類。連合国軍総司令部が当時、インフレ防止のため国内への持ち込みに一定の制限を設け、超過分を各税関などで預かっていた。

 昨年は1年間で113人から照会があり、22人に171件が返還された。同税関で預かった2万8000人のうち現在も1万8000人分以上が眠ったまま。近年は持ち主が亡くなったり、忘れたりしているケースも多く、実際に返還されるのは毎年20人前後にとどまっている。

 返還は通年で行っていて、当時の預かり証がなくても、持ち主の名前や生年月日、上陸港などが分かれば、本人以外に親族でもできる。同税関は「いずれも資産価値はないが、思い出の品として貴重なものも多いはず」と話している。問い合わせは同税関監視部監視部門TEL0138・40・4244。

提供 - 函館新聞社




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