大沼の景雲寺「平和追悼の鐘」響く

update 2010/8/10 12:51

 【七飯】町内大沼町の景雲寺(鈴木英孝住職)は9日、長崎原爆忌に合わせ、同寺にある「平和追悼の鐘」を鳴らした。鐘は戦時中の金属供出を免れ、七飯村(当時)の火の見やぐらの半鐘として、住民の命を守るために使用されていたもの。町内の保育園児40人をはじめ、近隣住民が参加。65年の歳月を経て、平和への祈りを込めた鎮魂の音が大沼の空に響き渡った。

 鐘は、1922年(大正11年)に法要などの始まりを告げる「喚鐘」として寄贈され、戦時中に武器製造のため供出された。しかし、国には渡らず、村内の火の見やぐらで利用され、住民に空襲を知らせたり、戦後は火災を知らせる役割を果たした。2007年に七飯消防署内で見つかり、同寺に返還。昨年、修復が終わり、新たに「平和追悼の鐘」としての役割を与えられた。

 この日は、火の見やぐらがあった本町地区の認定こども園どんぐり(町大川7)と七飯ほんちょう保育園(町本町)の園児が参加。黙とうをささげた後、長崎に原爆が投下された午前11時2分に合わせて、鐘が打ち鳴らされた。

 鈴木住職は「武器になったかも知れない鐘は、人助けに使われていた。平和の思いを子どもたちにも受け継いでいってもらいたい」と話していた。同寺では、終戦記念日の15日正午からも平和追悼の鐘を鳴らす。

提供 - 函館新聞社




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