8月の日銀金融経済動向、3カ月ぶり上方修正

update 2009/10/5 11:08

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は8月の道南地方の金融経済動向を発表した。雇用環境や観光面は依然として厳しい状態が続く一方、自動車の販売増や電子部品の輸出が回復傾向にあることなどから、景気判断を「非常に厳しい状況が続いている」としながら「一部に持ち直しの動きもみられる」と付け加え、前月の「下げ止まりの兆し」から3カ月ぶりに上方修正した。

 個人消費は「一部に明るい兆し」から「持ち直しの動きが広がりつつある」と判断し、3カ月ぶりに上向きに転じた。主要小売店10社の売上高は、家計の節約志向の強まりから、衣料品や身の回りの品を中心に前年割れが続いているものの、一部店舗のセールによる押し上げから、前年比で0・6%減と下げ幅は縮小した。

 また、エコポイント制度やエコカー減税の政策効果で、家電と自動車の販売が持ち直した。家電は薄型テレビやDVD、ブルーレイレコーダーが堅調。新車登録台数は軽自動車が同2・4%増と5カ月ぶりにプラスに転じ、普通・小型車も同0・4%増と2カ月ぶりに前年を上回った。

 観光は「非常に厳しい状況にある」と判断を据え置き。主要ホテル20社の宿泊客数は同8・4%減、函館空港の乗降客数は同18・1%減となり、ともに16カ月連続で前年割れとなった。

 生産は水産加工が家計の節約志向の強まりから伸び悩んでいるものの、造船が安定した操業を続けているほか、中国向けの電子部品も在庫調整が進み、輸出の回復から操業度を引き上げているとして2カ月ぶりに上向いた。

 貿易は基調として前年を下回っているものの、輸出は回復傾向にあり、19カ月ぶりに上方修正。公共投資は前年の函館競馬場のスタンド整備など大型工事があった反動で、同46・5%減と大幅に前年を下回ったが、「景気対策による前倒し発注効果もあって持ち直している」とした。

提供 - 函館新聞社




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