ヒグマに注意 出没情報相次ぐ 函館で家畜に被害も
update 2010/8/7 10:47
函館市郊外で、ヒグマの出没情報が出始めている。6日までに市に寄せられた情報は数件にとどまっているが、市は「お盆以降に間違いなく増加する」と警戒。ことしに入ってから家畜が被害を受けた例もあり、市や渡島総合振興局は農業者に対して自衛を呼び掛けるとともに、入山者に対しては単独行動を避けるよう求めている。
市内では4日、新中野ダム公園(亀田中野町363)付近で子グマ1頭の目撃情報があり、同公園を一時閉鎖したが、6日までに寄せられた情報は「1、2件程度」(農務課)という。トウモロコシなどが食い荒らされるなどの農業被害はまだ出ていない。
しかし、鉄山町185の谷地山牧場(旧・市放牧場)では、放牧されている子馬が、5月ごろからヒグマに襲われる被害が相次いだ。同牧場の一部を借り受ける秋山邦雄さん(65)によると、これまでに6頭が死に、2頭がけがをしたという。
牧場内では7月2日に鉄製のおりを設置。同15日にはヒグマ1頭を捕獲したが、「次から次へと出てくる」(秋山さん)と、今月4日には地元猟友会のハンターら約15人が出動して2個目のおりを設けた。秋山さんは「少しでも被害を防ぎたい。銃がなくても、おりに入ってくれればいいのだが」と、悩ましげな表情で話す。
渡島総合振興局によると、管内でのヒグマの捕獲頭数は昨年度が90頭で、うち函館市は13頭。本年度は4日現在で23頭(函館市は2頭)と少ないが、収穫期を迎える9月以降が要注意としている。
同振興局や市は、ヒグマ対策としてワイヤに触れると電気ショックを与える「電気さく」を希望者に無償貸与している。購入の場合は国からの助成も出るが、「400bかけるだけで40―50万円かかる」(市農務課)と高額で、広範囲にかける必要があるため、思うように普及が進んでいないのが現状だ。
夏から秋にかけては、冬眠前のヒグマが人里に下り、農作物を食べ荒らす被害が増える時期。同課は山に入る際の対策として▽単独行動を避ける▽ラジオや鈴など音が出るものを携帯する▽ヒグマの行動が活発になる早朝や夕方を避ける―などを呼び掛けている。
提供 - 函館新聞社
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