映画「海炭市叙景」テーマに朗読紀行

update 2010/7/23 10:54

函館朗読奉仕会(船矢美幸代表)の函館朗読紀行4「海炭市叙景〜佐藤泰志が描いた函館〜」が22日、市中央図書館(五稜郭町26)で開かれたた。約100人の市民が足を運び、独特の世界観で描かれた函館の人々や街の姿に触れた。

 函館出身の作家、佐藤泰志(1949―90年)の小説「海炭市叙景」は、市民有志により映画化が熱望され、作品化が決定。今年11月に函館で先行上映、12月からは全国60カ所での全国公開が決まっている。

 朗読会の初めに、同映画の菅原和博制作実行委員長が「映画・海炭市叙景ができるまで」と題して話し、実際に使われた台本などを使って映画制作秘話を明かした。

 朗読会では船矢代表ら約20人の会員が、物語の核となる登場人物の人間模様を情感たっぷりに読み上げた。冒頭の「まだ若い廃墟(はいきょ)」の章では、職を矢ってひっそりと身を寄せ合うように暮らす若いきょうだいの苦悩などを、声だけで表現し、観客の心をとらえていた。

 また、西堀滋樹制作実行委事務局長が「佐藤泰志と海炭市叙景の世界」と題して講演し、故人の人柄などを紹介していた。

提供 - 函館新聞社




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