故平沼さんの功績心に焼き付けて 函館最後の船大工 17、18日に資料展

update 2010/7/15 14:09

昨年4月に亡くなった函館最後の船大工、平石健悦さん(享年80)の功績などを紹介する資料・映像展「記憶に残したい最後の船大工平石健悦」(函館探検隊主催)が17日から2日間、函館市入舟町の平石造船所で開かれる。同探検隊の井上清美代表は「現存数の少ない木造船の歩みを記憶にとどめてほしい」と入場を呼び掛けている。

 平石さんは高校卒業後から伯父の手伝いで造船業に従事。25歳から8年間、蟹工船の船大工としてアラスカで勤務した。帰国後に平石造船所を開き、亡くなるまでの55年間で仕上げた磯舟などは500隻を数える。平石さん製作の船は現在、市内には宝船一隻しかなく、ほかに確認されているものは青森の資料館や東京都台場、フランスにしかないという。

 同探検隊は平石さんと以前から交流のあった市民約10人で構成。「造船所があるうちに写真展を開きたい」との声が上がり、5月ごろから準備を進めてきた。平石さんの妻敏子(75)は「真面目一筋で仕事に取り組んできた夫だった。仕事を評価してもらい天国で喜んでいると思う」と笑顔を見せる。

 同展では、平石さんの秘蔵写真や映像を公開するほか、道具や宝船も展示。また、明治期に行われた函館港改良工事の様子や北洋漁業で栄えた昭和初期の入船漁港の貴重な写真を並べる。17日午前10時からは、新島襄海外渡航の地碑前(大町11)で函館水産高生による脱国シーンの寸劇も披露される。

 17日は午前11時―午後4時。18日は午前10時―午後2時。入場無料。問い合わせは井上さんTEL090-4878-4158。

提供 - 函館新聞社




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