【参院選】批判と激励 交錯 民主大敗で道南の有権者
update 2010/7/13 16:38
民主党大敗で終わった参院選。有権者は選挙結果をどう受け止め、今後の政治に何を期待するのか。選挙から一夜明け、道南の住民からは「当然の結果」との批判がある一方、「もう少し頑張ってほしい」と再起を望む声もあり、叱咤(しった)と激励が交錯した。
「消費税増税に触れたのは、商売をしている者として支持はできない。増税は経営を直撃する」と話すのは、函館市、自営業二本柳秀樹さん(59)。「想像していた通りの結果。活気がなくなりつつある地方都市の現状も視野に入れた政策展開をしてほしい」と訴える。江差町、主婦佐藤泰子さん(46)は「消費税のアップはとても心配。税金がどのように使われていくのか不透明だ」と指摘し、「民主党には期待していたが、予算がないのに子ども手当など、現金バラまき型の政策には共感できない」と不信感をあらわにした。
政権交代からわずか10カ月後の厳しい審判について、現政権の迷走ぶりを敗因とする声も相次いだ。松前町、男性教員(29)は「増税発言で誤解を招いたのもあるが、政治とカネ、普天間基地問題などがっかりすることが多かった」と残念がる。七飯町、柔道指導員藤川清吉さん(72)は「消費税増税の問題ではなく、党の体質への批判だ」とみる。同町、会社員山田督さん(26)は「民主党政権になって、よくも悪くも身近に変化を感じられなかったことが、今回の結果につながった」と分析。函館市、主婦徳山てい子さん(62)は「政権交代に期待したが、二転三転する政策に失望した」と話す。
今後の衆参ねじれ現象について、北斗市、市民団体代表山口勝利さん(58)は「議員が党利党略に縛られすぎ。一人一人が良心的な判断ができる国会、政治運営を望みたい」と要望。函館市、男性会社員(43)は「選挙後の政治家同士の足の引っ張り合いはもうこりごり。国民に直結した問題を解決してほしい」。江差町、自営業、三浦勝利さん(49)は「政党対立が続く状況が続いても経済は回復しない。政策によっては与野党の歩み寄りも必要」と強調する。
一方で、少なからず現政権への期待感も残っている。「お灸をすえられたと思って再起してほしい」と木古内町、パート千葉美緒さん(29)。消費税については「お客さんが商品を買い控えるので、個人的なことを言えば上げてほしくはないが、増税も止むを得ない。国民のことを真剣に考えた政治運営をしてほしい」と菅首相に望む。北斗市、無職渡辺昭さん(66)は「菅首相のリーダーシップには疑問符がつくが、国民のためにも安定した政治をしてほしい。民主党がもっと頑張り、何年間かは、しっかりと政権を担うのがベストだ」。函館市、無職新谷則さん(75)は「国政をしっかりとかじ取りし、国民にしわ寄せがこないように導いてほしい」と願う。 函館市、主婦(48)は「娘が来年大学を卒業予定だが、就職先が決まっていないので、雇用対策をきっちりしてほしい。そのためにも投票したので、当選した議員には頑張ってもらいたい」と話す。同市、道教育大3年神原悠里さん(21)は「年金制度の確立や子育て支援の充実を期待してきたが、現時点では中途半端な印象がぬぐえない」とし、「与野党とも今回の結果から国民が何を望んでいるかをしっかりと読み取り、誠実な政治を実行してほしい」と注文を付けた。
提供 - 函館新聞社
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