がん検診伸び悩む…函館市09年度

update 2010/7/9 17:06

 函館市民の2009年度のがん検診受診率は、助成対象となっている5種類の検診のうち、胃がんと大腸がん、乳がんは前年度より伸びたが、肺がんは前年度比0.1ポイント減の5.4%、子宮がんは同0.5ポイント減の23.7%と減少した。市立函館保健所は「受けやすい環境づくりに努めている」とするが、全道、全国の受診率よりも低い傾向は変わらず、伸び悩んでいる。

 同保健所が実績をまとめた。保健所健康づくり推進室によると、対象年齢が35歳以上の胃がん検診と、同40歳以上の肺がん検診は、07年度までは基本健診と一緒に受けることが定着していたが、08年度に特定検診となり初年度の受診時期がずれたため、「一緒に受けられなくなった」という認識を持たれるようになった。この影響で、08年度は両検診の受診が大きく落ち込んだ。

 09年度、胃がんは前年度比0.3ポイント増の5.7%となり若干持ち直したが、肺がんはわずかに減少し5.4%で、回復の兆しはみられない。全国(08年度、胃10.2%、肺17.8%)や全道(同、胃11.8%、肺11.8%)の受診率と比較すると、大きな開きがある。

 大腸がん(40歳以上が対象)は、08年度に導入した検診キットを自宅に送付するシステムが好評だ。07年度までの3カ年は連続して2.9%だったが、08年度は4.0%に、09年度は5.0%と一気に増加した。全国や全道のレベルはこちらも大きく下回るものの、同室は「着実に伸びており、このまま増やしたい」とする。

 乳がん(40歳以上が隔年で対象)は前年度比0.4ポイント増の12.1%に、子宮がん(20歳以上同)は同0.5ポイント減の23.7%に。09年度にスタートした「女性特有のがん検診」での無料受診分を含まないため、実際の受診率はさらに高く、増加傾向にあるとみられる。

 受診率増加策として本年度は、特定検診と胃、肺、大腸の3種類のがん検診を同時に受けられる場所を増やし、全検診日程を掲載したカレンダーを配布した。同室は「カレンダーを見ての問い合わせや申し込みが多く、順調に受診されているようだ。セットで受けると1カ所で済むので楽だということをもっとPRしたい」と話している。がん検診への問い合わせはTEL0138-32-1532。

提供 - 函館新聞社




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