「海炭市叙景」高評価…東京で完成披露試写会
update 2010/7/9 17:05
函館出身の作家、佐藤泰志(1949―90年)の遺作を元に、函館市民有志が製作に参加した映画「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)の完成披露試写会がこのほど、東京・五反田のIMAGICA東京映像センターで行われた。出席した映画関係者約60人からは「想像以上の出来」と高い評価を得た。作品は海外の映画祭へのエントリーも決定。今後、世界中に“函館”の名を発信する。
同映画は、今年2月から3月にかけて主要キャストが来函し、市内や近郊で撮影。昨年5月には在りし日のゴライアスクレーンを背景にした先行撮影も行われた。また、実行委が製作資金をねん出するため募金活動をしたり、キャストに地元市民を起用するなど、市民参加型で作り上げた。
試写会には函館から、同映画製作実行委の菅原和博委員長を含む実行委メンバー、キャストなど17人が参加。試写会後のパーティーで、熊切監督は「今まで撮った作品の中で最高傑作。函館の皆さんの協力なしでは作れなかった」とスピーチした。菅原委員長も「感激している。映画完成に至るまでのすべてを知っているので今は客観的に見れないが、閉そく感のある現代に希望を感じさせる作品」と自信をのぞかせた。
冒頭で、幼い兄弟ががれきのような街を歩くシーンを撮影するなど、原作に忠実に、かつ現代にもリンクするメッセージ性のある作品に仕上がった。菅原委員長は「シャッター通りが目立ち、若者が出ていくという地方都市が抱える現状は、世界中の国にも通じる普遍的なテーマ」と話す。
同日開かれた会議では、海外の映画祭への出品も決まり、「函館の街も含め、世界でどれだけの評価が得られるか知りたい」と参加者から期待の声が上がった。
同映画は、10月26日に協力者を対象にした試写会を市芸術ホール(五稜郭町37)で実施。その後、11月下旬の函館での先行上映を皮切りに、12月上旬から東京、札幌など60カ所で順次公開予定となっている。
提供 - 函館新聞社
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