786人の冥福祈る 青函連絡船殉職者慰霊法要で遺族ら参列

update 2010/7/8 14:34

 1945年の米軍攻撃や、54年の洞爺丸台風被害により青函連絡船乗船中に殉職した乗組員を慰霊する法要が7日、函館市青柳町の「青函連絡船海難者慰霊碑」前で開かれた。遺族や関係者ら約80人が参列し、亡くなった786人の冥福を祈った。

 1908年から88年まで青函をつなぐ大動脈として活躍した青函連絡船だが、1945年7月14日には米海軍艦載機の攻撃を受け、10隻が撃沈され船員438人が死亡。また54年には洞爺丸台風(台風15号)の被害により洞爺丸を含め5隻が沈没。死者・行方不明者合わせて計1430人という未曽有の大惨事となり、船員殉職者も348人に上った。

 法要はこの二つの大惨事を風化させないことを目的に、青函連絡船殉職者遺族会が主催。函館市仏教会やJR北海道、函館市などの協力で毎年行っている。この日は市仏教会の僧侶2人が読経する中、参列者が順番に焼香した。

 遺族会の渋谷武彦会長(76)は「海難事故から半世紀以上が経過し遺族の高齢化が進む中、毎年大勢の人たちが足を運んでくれることはありがたい。今後もできるかぎり続けていきたい」とあいさつした。

 来賓の青函連絡船OB会の高木宏二会長は「毎年この日を迎えると、気持ちが引き締まる思い。多くの市民にこの悲しい出来事を語り継いでいきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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