JR函館−新函館経営分離問題 議論平行線、混迷深まる
update 2010/6/23 12:02
【札幌】北海道新幹線の札幌延伸時に、JR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)間を並行在来線として経営分離する意向を示している問題で、函館市の西尾正範市長と道、JR北海道との会談が22日、道庁で行われた。道はJRに対し経営継続を再検討するよう求めた一方、函館市にも第3セクターなどでの運行を検討できないか提案した。しかし、市、JRとも従来の主張を崩さず、議論は平行線に終わった。
会談は道が主催し、西尾市長と高井修副知事、JR北海道の中島尚俊社長が出席した。同問題に関して3者が顔を合わせたのは初めて。
関係者の話を総合すると、午後3時半から約1時間行われた会談では、道がJRに対し、同区間の経営分離を見直し採算性も含めて経営継続が可能か再度検討するよう求めた一方、函館市に対しても、第3セクターなど他の運行方法が可能かどうか、検討を求めた。
JRの中島社長は整備新幹線のスキームを示した上で、同区間の経営分離方針を改めて主張。西尾市長も市と道の覚書の存在や、現駅建設に至った経過などを踏まえ、JRによる経営継続を求め「地域として条件を整備してもらわないと、経営分離には同意できない」と主張した。
西尾市長によると、中島社長は「3セクで運行できないという根拠はない」として市に理解を求めたが、高井副知事が「JRができないという根拠があるのか」などと、議論が交わされたという。
市長は函館新聞の取材に対し、「道からは問題を先送りして、函館開業後の動向を見てはどうかという話も出たが、経営分離に同意することになるので、できない。道には実務を進めてもらいたい」と話した。道新幹線対策室は「今後もさまざまな局面の中で、解決に向けて話をしていきたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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