努力の大切さ音に込める ジャズピアニスト加茂さん特別課外授業

update 2010/6/23 12:01

 函館出身で米ニューヨーク在住のジャズピアニスト・加茂紀子さんが22日、函館西高校(石原卓典校長)で特別課外授業を行った。加茂さんは、プロとして認められるまでの苦労を振り返るとともに、夢を実現するための努力の大切さを訴えた。

 加茂さんはニューヨークの名門ライブハウス「コットンクラブ」で日本人初の専属ピアニストとして幅広い活動を行っている。今回は約2週間の来日中で、19日には函館山山頂クレモナホールで行われた、同高生徒の企画による「キャンドルナイト・ジャズコンサート」にも出演した。

 音楽室で行われた課外授業には同高吹奏楽部員を中心に約80人が出席。加茂さんがピアノの前に座り演奏を交えながら授業を進めた。ミュージシャンとなるきっかけについて「明治学院大学に在学中、父親の会社が倒産し自分でお金を稼がなければならなくなった。そこで小さい時から習っていたピアノの腕を生かしてレストランでの演奏を始めたのが最初」と明かした。また「ニューヨークに渡った当初は言葉による嫌がらせも受けたが、相手の英語が聞き取れなかったので気にならなかった」とも打ち明けた。

 授業の合間にはジャズのスタンダードナンバーやオリジナル曲を次々と披露。同高出身の北島三郎さんの「与作」の英語バージョンも初披露し「コード進行などにブルースの要素が感じられて、アレンジするのが楽しかった」と話した。

 このほか、同高生徒の詩の朗読とのコラボレーションや、アルトサクソホンとの共演も行われ、最後は加茂さんの

ピアノをバックに全員が「翼をください」と高らかに熱唱して締めくくった。

 サクソホンで共演した山本大貴さん(3年)は「一流ミュージシャンと演奏できてとてもうれしかった。ジャズの世界の素晴らしさに触れ、自分も追求してみたくなった」と話していた。

提供 - 函館新聞社




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