分布密度小さい低水温で北上の遅れ影響 マイカ調査函館水試

update 2010/6/19 09:59

秋田県男鹿半島沖から松前沖にかけてのマイカ(スルメイカ)分布密度が、2001年以降、最も低いことが道立函館水産試験場の調査で分かった。低水温による魚群の北上の遅れが影響したと推測される。魚体の大きさは、胴長6〜17センチ(昨年11〜18センチ)だった。

 函館水試(函館市湯川町)の調査船「金星丸」(151トン)が5月27日〜6月1日に実施した北上期調査で分かった。

 荒天で調査を中止したところを除く4地点の分布密度は、イカ釣り機1台1時間あたりの漁獲尾数が0.4〜6.0(昨年0.04〜19.7)の範囲。最も高かったのは津軽半島西方沖で6.0(昨年の同じ地点19.7)、平均は2.5(昨年9.5)と01年以降で最少だった。

 最も多く捕れたマイカの胴長(サイズ)は、昨年と同じ15センチ.で、全体の魚体サイズは過去5年平均より小さめだったという。

 漁獲調査6点の表面水温は10.1〜13.0度(昨年11.7〜15.8度)の範囲で、すべての調査点で昨年を下回った。マイカの分布目安となる水深50メートルの水温は、3.6〜10.3度(同6.8〜12.4度)の範囲で、調査5点で昨年を下回った。

 また、道立釧路水産試験場の道東太平洋調査(6月7〜14日)でも、マイカ分布密度は低い結果が出た。平均0.03(昨年0.43)で1993年以降で最も低い値。表面水温は約1度低く、魚体は前年とほぼ同じ13―16aだった。

 道南近海のマイカ漁は1日解禁され、夏から秋に最盛期を迎える。漁は来年1月末まで。

提供 - 函館新聞社




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