昨年度下期の景況、大幅改善…政策公庫中小企業事業
update 2010/6/14 12:07
日本政策金融公庫函館支店中小企業事業は、2009年度下期(09年10月―10年3月)の道南の中小企業の景況調査をまとめた。売上DI(「増加」から「減少」の割合を引いた指数)はマイナス9で、上期(09年4―9月)に比べ42ポイント上昇と大幅に改善した。過去最悪だった前期からの反動でリーマンショック前の07年度上期の水準まで回復し、景気の底入れ感もうかがわせた。
同支店は「急速な景気悪化で企業が経費削減などの経営合理化を進めたことや、金融面の政策効果で減収の中でもある程度の資金繰りが維持できた結果」と分析。一方、設備投資などは依然として消極姿勢が目立ち「延命策で現状をしのいでいる体力勝負の状況」とも指摘する。
業種別の売上DIは、製造業が前期比31ポイント上昇のマイナス25で、3期ぶりに改善。非製造業は同46ポイント上昇のマイナス3と大幅に改善し、7期ぶりに好転した。利益DIは全体で同30ポイント改善のマイナス2。製造業で同28ポイント上昇のマイナス13、非製造業で同26ポイント上昇のプラス1まで好転し、同支店は「徹底したコスト削減効果の表れ」とみる
設備投資については、非製造業で同9ポイント増の29%と増加した半面、製造業では同19ポイント低下の33%と減少し、全体では30%と前期から変わらない企業の慎重さもうかがわせた。同支店は「企業が設備投資を控える動きが、厳しさを増す雇用情勢に影響している」と懸念を示す。
2010年度上期(4―9月)は、売上DIが今期比5ポイント上昇のマイナス4、利益DIは同8ポイント低下のマイナス10を見込み、「増収減益」の傾向が強まっている。同支店は「景気の底入れ感もうかがえるが、プラス材料は乏しく見通しは厳しい。今後は資金繰りの悪化を予想する企業も多く、楽観できない状況が続いている」としている。
調査は3月末時点で、渡島・桧山管内の中小企業173社を対象に実施。計92社から回答を得た。回答率は53・2%。
提供 - 函館新聞社
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