和洋の意匠、ローマで絶賛 彫刻家小寺さんの個展好評

update 2010/6/4 09:49

 函館出身でイタリア・ローマ在住の彫刻家、小寺真知子さんがこのほど、ローマのベネチア宮殿で個展を開催し、大きな反響を呼んだ。来場者から「西洋の形をしているが東洋の雰囲気を感じる」と評されたといい、小寺さんは「函館という西洋文化が根付いた地域で育ったことが大きく影響している」と話している。

 ベネチア宮殿は、ルネサンス期の作品などを展示しており、イタリアの独裁者ムソリーニが演説したことでも知られている。若手作家が発表するスペース拡張のための改装後、第1号の個展として小寺さんの作品が展示された。

 小寺さんはイタリア渡航30周年を記念し、4月29日から5月27日まで、これまでに作った43点の原型を初めて出品した。昨年9月には、唯一、日本人をモデルにした「赤い靴の少女像」を函館に作った。ほかの作品はイタリア人をモデルにしており、全世界から訪れた愛好家から「素晴らしい」「日本人としての感覚を非常に感じる」と絶賛されたという。

 こうした評価を受け、小寺さんは「すごく喜んでもらえてうれしい」と話し、「イタリアの伝統彫刻の技術を持って日本の精神を表現できたのでは」と振り返る。生まれ育った函館については「西洋文化がたくさん入ってきた痕跡のある街。自分の中には『函館で育った』という事実が精神的な糧になっている」と語る。

 個展後、ギリシャやバチカンの大使館からも個展開催の話が来ているといい、「年内はイタリア国内で再び個展を開きたい」と意欲を見せる。小寺さんは、日本人としてのアイデンティティーを大切にし、「1000年、2000年と後世に残り、見る人の心を揺さぶる」作品作りを続けていく。

提供 - 函館新聞社




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