道南経済に持ち直しの動き 4月、個人消費は上方修正

update 2010/6/4 09:48

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は2日、4月の道南地方の金融経済動向を発表した。家計の節約志向が続いているものの、政策効果で個人消費に明らかな持ち直しの動きが出始め、管内の景気を「非常に厳しい状況が続いているが、持ち直しや下げ止まりの動きが広がっている」として前月(3月)に上方修正した判断を据え置いた。

 個人消費は前月までの「全体として弱い状態が続いている」との表現を削除し、「政策効果もあって耐久消費財を中心に持ち直している」と6カ月ぶりに上方修正。主要小売店(10社)の売上高は催事や特売などが好調で、前年同月比4.4%増と2カ月ぶりに前年を上回った。対象店舗が異なるが、上げ幅はリーマンショック前の2008年3月(同4.5%増)の水準まで回復した。

 このほか、新車登録台数はエコカー減税などの政策効果に加え、レンタカー向けの小型車販売が急伸し、普通・小型車が同70.1%増と9カ月連続でプラス。軽乗用車も同12.1%増と3カ月ぶりに前年を上回った。同支店は「ブランド品や宝飾品など一部の高級品に動きがみられ、耐久消費財以外にも全体に底堅さを増してきた」としている。

 観光は前月に上方修正した「持ち直しつつある」との判断を据え置き。主要ホテル(20社)の宿泊客数は同8.1%増と2カ月連続で前年同月を上回ったほか、函館空港乗降客数は国内便客が同7.8%増、国際便客が同0.8%増とともに前年実績を上回り、4カ月連続で増加した。

 設備投資は工場の移設や小売店の新設などで市内の非住宅着工が棟数で同2.9倍、床面積で同5.4倍と急増。住宅投資は分譲が不振だった一方、貸家が同2.1倍と好調で、持ち家も含めた全体では3カ月ぶりに前年を上回った。公共投資は北海道新幹線関連工事の発注が集中し、同20.8%増と2カ月連続でプラスだった。生産は海外向けに電子部品や造船が安定した操業を続けているが、水産加工は需要の冷え込みで操業度が前年を下回る状況が続いている。

提供 - 函館新聞社




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