観光客23万人減の433万人…函館市09年度

update 2010/6/2 15:15

 函館市の2009年度の観光客数は前年度比23万人(5%)減の433万2000人で、5年連続で500万人を割った。3年連続で減少し428万7000人の1989年(平成元年)の水準にまで落ち込む厳しい結果となった。ただ前年同期比で7・5%減を記録した上期に比べ下期は同0・2%増の145万6000人となり、市観光コンベンション部は「ある程度減少数も底をついてきたのでは」とみている。

 1日に市が発表した。09年度上期(4月―9月)は前年同期比約23万人減の287万6000人。月別では4月の落ち込みが一番激しく同16・4%減の25万5400人。シルバーウイークの9月を除き、全月で前年を下回った。

 下期(10月―10年3月)は香雪園の紅葉ライトアップなどが好評を博し、同4・5%増の28万3200人を記録するなど健闘。そのほかの月もほぼ前年並みか若干上回るなど回復の兆しをみせている。

 交通機関別の客数ではETC(自動料金収受システム)の休日割引などの影響で、乗用車がほぼ前年並みとなる約72万人。航空機は減便や路線廃止などにより前年比12・8%減の約53万人、フェリーは高速船が期間限定運航になったことなどから同16・8%減の約22万人となった。鉄道では海峡線が同1・2%増と健闘し函館本線を合わせて同3・6%減の約115万人にとどまった。

 市の観光客は98年の539万人をピークに減少傾向にある。同部は長引く不景気による国内客の旅行意欲の低下や団体ツアーの減少を要因に挙げ、09年度に限ると新型インフルエンザの流行も大きく影響したという。

 本年度は箱館奉行所や函館競馬場がオープンし、東北新幹線の新青森開通を控え関西からの季節便も1便増えた。同部はこれらと、個人や少人数に対応した多彩な観光メニューの創出などで集客増につなげたい考えだ。

 同部は「今年は1月―5月に前年を上回る堅調な数字が出ている。前年比で100%を越え、500万人を目標としたい」と意気込んでいる。

提供 - 函館新聞社




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