山菜採り遭難 道南で相次ぐ
update 2010/6/1 11:57
道南では山菜採りに伴う遭難事故が相次いでいる。道警のまとめによると渡島・桧山管内では今年に入り5件の遭難が発生。このうち2人が死亡。1人が行方不明のままだ。今月上旬には遭難が最も集中するタケノコ採りも本格化するため、道や道警が警戒を呼び掛けている。
道警によると5月31日現在、全道で発生した遭難は26件(計31人、死者4人、行方不明1人、負傷4人)。30日までに遭難した28人のうち50歳以上が24人。70代が最多の12人。札幌市では99歳男性が滑落する事故もあった。道警は「今年は雪解けが遅く山菜の成長が遅い。山菜を求めて山奥に入り迷うケースが多い」とする。
このうち渡島管内では、3月24日に福島町で70歳男性が、ヒグマと遭遇して逃げる際に滑落して負傷。5月11日には函館市で道に迷った85歳女性が死亡。同24日には八雲町でタケノコ採りをしていた78歳男性が一時行方不明になった。桧山管内では同19日、厚沢部町でアイコ(イラクサ)を採りに出かけた77歳女性が行方不明になったまま。同30日には奥尻町でタケノコ採りをしていた52歳女性が死亡した。
相次ぐ遭難を受けて渡島総合振興局は、ホームページ上で注意喚起を始めた。山菜採り5か条として@行き先や帰宅時間を家族に知らせるA単独入山を避けて2人以上で声を掛け合いながら位置を確認するB服装は目立つ色でC携帯電話、非常食、クマよけの鈴やラジオを携行するD迷った時は落ち着いて行動―をPRしている。
胆振管内むかわ町では同22日、山菜採りの男性がヒグマに襲われ死亡する事故も発生。同局はヒグマによる人身事故を避けるため、町役場や駐在所などでヒグマの出没情報を確認することを心掛けるなど「慣れた場所でも油断は禁物。事故防止を心がけて楽しい山菜取りを」と呼び掛けている。
また、毎年のようにタケノコ採りに伴う遭難が多発する上ノ国町は本年度、捜索費用の実費請求制度を施行するなど対策を強化。遭難が相次ぐ6月は“厳戒態勢”を取る江差署は「高齢者が遭難した場合は生命の危険に結び付くケースも多い。捜索は初動が肝心。行方不明になった際には速やかに届け出て欲しい」としている。
提供 - 函館新聞社
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